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2013年04月15日

●南独クリスマス巡り⑥グリューワイン(城戸真由美)

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*グリューワイン屋の屋根のデコレーション
(シュトゥットガルト)

クリスマスマーケットといえば“グリューワイン”。これを飲むと、一層クリスマス気分が盛り上がってきます。数種類のハーブとオレンジやレモンを加えて、沸騰しない程度に温めたワインの鍋からは、甘くてスパイシーな香りが漂っていました。ワインのマグカップには、その街の風景や名物、そして訪れた年号が描かれています。デポジット制で、ワインを飲んだ後にマグカップを返却すれば返金(2ユーロ程)してもらえますが、折角なので記念に持ち帰りたいところ。クリスマスマーケットには、グリューワインの屋台がいくつかあって、同じ街の中でもお店によってマグカップの色やデザインが違っています。

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*どこのクリスマスマーケットでもグリューワイン屋さん
 は大繁盛

一番のお気に入りを手に入れるため、クリスマスマーケットをひと通り巡回。シュトゥットガルトでは、この街のクリスマスマーケット風景とポルシェのマークが描かれた、クリーム色のマグカップのグリューワインをいただきました。蜂蜜が入った甘いワイン。ドイツ版のお屠蘇という感じでしょうか。シナモンやクローブ、ジンジャーが効いて、体が芯からホカホカしてきます。

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*まず選んだのはクリーム色のグリューワインカップ
 シュトゥッガルトの街の紋章でもあり
 ポルシェのマークでもある馬のロゴ入り

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*おいしいグリューワインでクリスマス気分も
 盛り上がります

しばらく歩くと今度はかわいい長靴型のグリューワインカップのお店がありました。ここで2杯目。甘さ加減や入れるハーブの種類によってテイストが違うので、味比べも楽しめます。私好みはフルーツの甘さだけで砂糖や蜂蜜は加えられていない甘さ控えめのグリューワイン。立ち上る香りが味の手がかりとなります。
ドイツでは、家庭でもグリューワインを作って飲む習慣があるそうです。そのためこの時期は、薬局でグリューワイン用のハーブのティーパックがよく売られています。グリューワインのボトルをお土産にするのはちょっと重いので、薬局でこのティーパックを買うのもいいですね。

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*有機栽培されたハーブのみを原料としたグリューワイン
 リンゴとオレンジの果実のチップ、ローズヒップ、
 ハイビスカス、クローブ、シナモンがミックスされてい
 ます
 ティーパックを入れたカップに温めた赤ワインを注いで
 5 - 10分たてば出来上がり

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*今回のクリスマスマーケット巡りの記念に持ち帰った
 グリューワインカップ(シュトゥットガルト)

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*グリューワインカップ(ニュルンベルク)

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*グリューワインカップ(ヴェルツブルク)

2013年04月08日

●南独クリスマス巡り⑤シュトゥットガルトのクリスマスマーケット(城戸真由美)

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*シュトゥットガルト中央駅時計台の
 メルセデス・ベンツマーク

シュトゥットガルト中央駅の時計塔の上には、月桂冠の環と陸・海・空の3分野での繁栄を意味する星型を組み合わせたという、メルセデス・ベンツの大きなエンブレムが回っています。そう、このシュトゥットガルトの街は、メルセデス・ベンツやポルシェの本社が今でも置かれている、「自動車」が誕生した街なのです。この街の薬局の多くは、世界中から人や車が集まる国際的な街らしく、ドイツ薬局で決められたApotekaの「A」マークだけでなく、他の諸国の薬局がよく用いている「緑十字」のマークを併せて掲示しています。
このシュトゥットガルトのクリスマスマーケットは世界最大級として、世界3大クリスマスマーケットの一つとされています。ちなみに他の2つもドイツのクリスマスマーケットで、一つは「世界最古のドレスデン」、もう一つは「世界一有名なニュルンベルク」です。

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*ケーニッヒ通りの薬局

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*精巧な街のミニチュア模型の周りを蒸気機関車が走る

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*特設の野外アイススケート場

中央駅から延びるケーニッヒ通りを数百メートル歩くとすぐにクリスマスマーケットの入り口です。広場に特設された遊園地や野外スケートリンクでは、子供だけでなく、大人も満面の笑顔で遊んでいます。ドイツの職人技が光る街のミニチュア模型も素敵です。

歩行者天国のケーニッヒ通りは、さすがにたくさんの人、人、人で前に進むのにも一苦労。あまりに人が多いので、軒先を連ねた露店の裏側を通って、市庁舎があるメイン会場「マルクト広場」に向います。ようやく見えてきた市庁舎は、窓に日付が入れられ、まるで大きなアドベントカレンダーのように飾られています。そして見所は、毎年開催される屋台の屋根のデコレーションコンテスト。光り輝く天使、サンタ、トナカイ、雪だるま・・・小さな屋根の上なのに、どれも等身大以上の迫力ある大きさで、幻想的な夢の世界を創っています。車だけではない、ドイツの技術、芸術に感嘆しつつ、思い思いにクリスマスマーケットを楽しんだ夜でした。

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*世界最大級のクリスマスマーケット

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*アドベントカレンダーに仕上げられた市庁舎と
 クリスマスマーケット

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*幻想的な装飾屋根

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*イエスの降誕を表した装飾屋根

2013年04月01日

●南独クリスマス巡り④ハイデルベルクのクリスマスマーケット(城戸真由美)

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*X'mas気分を高めるエールツ・ゲビルゲ・ピラミッド
 ハイデルベルク中央広場のクリスマス・マーケット

ハイデルベルク街の広場にはクリスマス前のアドベントの期間だけ、木製の露店が立ち並び、楽しいクリスマスマーケットが開かれます。12月のドイツは午後4時過ぎには早くも薄暗くなってきますが、同時に露店の電灯が温かく灯り始め、だんだんと賑やかな雰囲気になっていきます。中央広場には大きなピラミッド型の風車。これまでドイツのお土産屋さんなどで、テーブルの上に置けるような大きさのこの飾りを見ては「何だろう」と思っていましたが、ドイツのクリスマスマーケットのシンボルだったのですね。エールツ地方の特産品ということで、エールツ・ゲビルゲ・ピラミッドと呼ばれているそうです。お土産屋さんのものは風車の羽がキャンドルの熱でゆっくりと回ります。ピラミッドの1階では暖かいグリューワイン(ハーブ入りホットワイン)が売られています。ハイデルベルクのグリューワインのカップは、街の名物のキスチョコに因んで“ハートの形”をした持ち手が特徴です。
5時を過ぎるとほとんど真っ暗に。ハイデルベルク城が幻想的にライトアップされ浮かびあがります。フリードリッヒ5世が、英国生まれのエリザベス・スチュワート妃の誕生日のサプライズのために、たった一夜で造らせたという「エリザベスの門」も素敵に色づいています。門をくぐりお城の庭のクリスマスマーケットに入ると、お魚の何ともいい香りが。焚き火で鯖を炙り焼きしたものが、一人分ずつに切り分けられて売られています。露店ではクリスマス飾り、キャンドル、精油など、目を惹くものがいろいろと並んでいます。さあ、クリスマスの本場ドイツを思いっきり楽しみましょう。

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*各街でデザインが違うグリューワインのマグカップ
 ハートの持ち手をしたハイデルベルクのグリューワイン
 カップは、かわいくて大人気

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*ハイデルベルクの名物「キスチョコ」の本店
 グリューワインカップのハートの持ち手は
 この素敵な落書きに因んでいる

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*ライトアップされたエリザベスの門

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*焚き火で暖をとりながら、
 おいしい鯖焼きをいただきます

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*クリスマス・マーケット名物の大きなクッキー

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*ライトアップされたハイデルベルク城