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2013年03月21日

●南独クリスマス巡り③カール・テオドール橋(城戸真由美)

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*ネッカー川対岸から眺めるハイデルベルク旧市街と
 古い橋の冬景色

ハイデルベルクの新市街と旧市街の間を流れるネッカー川が、前日の雨で水かさが増し、今にも氾濫しそうです。その川を見ながら、昨年の初夏、次世代薬剤師を育てる会のシンポジウムで聞いたアッセンハイマー・慶子さんの話を思い出しました。「ドイツの薬局では、大雪、嵐、洪水など災害時に備えて、薬局で備蓄しておく医薬品や備品等が薬局営業法で定められています。そのため各薬局では、抗生剤や解熱鎮痛剤、その他使用頻度の高い医薬品を災害用として常に備蓄しています。」備えあれば憂い無し。日本の薬局でも取り入れる必要がある制度だと感じます。

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*水位が増したネッカー川(ハイデルベルク)

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*橋の建立を命じたカール・テオドール候の像
 像の台座には、ドイツを流れる代表的な4つの川、
 ライン川、ネッカー川、ドナウ川、モーゼル川の神を
 表す彫刻像がとりまいている

ネッカー川にかかる丈夫な橋は、カール・テオドール橋です。地元の人達からは、アルテ・ブリュッケ(古い橋)と呼ばれ親しまれている、ハイデルベルグでは最も古い橋です。この同じ場所に、昔は屋根がある木の橋が架けられていたそうです。ネッカー川の川幅は狭く、激しい川の流れに橋が流されては立て直しの繰り返し。そうした中、当時の領主カール・テオドール候の命により、9代目の橋として、現在の頑丈な石のアーチ橋が1786-1788年にかけて造られたそうです。橋脚の側面には、これまでの洪水時の水かさが年号とともに記されており、この橋がこの200年あまり幾度も激流に耐えてきたことがわかります。この橋のたもとには「人の振りを笑わず、まずは自分の顔を見てごらん!」と金色の鏡を差し出したユニークな猿の像があります。空洞になっている猿の顔の中に、自分の顔を入れておもしろい写真を撮った後は、金色の鏡をなでると金運がアップするといわれています。

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*橋脚に刻まれた洪水位の印

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*「ほら見てごらん!」と金色の鏡を差し出す猿の像